2007-05-27

シュルツ全小説集

ブルーノ・シュルツはクエイ兄弟の「ストリート・オブ・クロコダイル」の原作, 「大鰐通り」を書いた. 1892年にポーランドに生まれて, 1942年にユダヤ人として路上で射殺された.


シュルツの小説は動く図画工作のように見える, 「ストリート・オブ・クロコダイル」を見た後に読んだせいだろうか. 稲垣足穂に似ているとも言える. 小説はすべて平均して10ページに満たない短編の集まりだけれど, どの短編もつながっているし, ある意味で同じ話だから, 短編とは言えないかもしれない (足穂の小説がすべて同じ話の繰り返しなのと同じ. でも一千一秒物語の方がもっと短い!). シュルツはもともと画家なのだったし, 足穂は工作家だった (本当は飛行家だった). 足穂の工作は子供じみた大人が作る平面のおもちゃだけれど, シュルツの工作は大人じみた子供が作る毛の生えたおもちゃ. なぜ誰も足穂を原作にした映画を撮らないのだろうか? (まりの・るうにい氏のパステル画はある)

工藤幸雄の日本語も素晴らしい.

クエイ兄弟の別の作品「ベンヤメンタ学院」の原作者, ヴァルザーの「ヴァルザーの小さな世界」は残念ながら絶版みたい. ヴァルザーは工作家よりは夢想家だろうか (酩酊しているときの稲垣足穂だ).

「大鰐通り」と聞くとエリアーデの「ムントゥリャサ通りで」を思い出すけれど, その間にどんな関係があるわけでもない. シュルツもヴァルザーも足穂もクエイ兄弟も宗教学者ではない.

これらの間に関係があるとしたら, それはただ「世界模型」ということか.

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